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夏樹静子さん死去、また一つ巨星が墜ちた

こんにちは、おっこちゃんです。


今朝、何げにというかいつものようにヤフーニュースを
開いたら、夏樹静子さん死去のニュース、
また一つ巨星が墜ちた感が否めない。


77歳とのこと、いまどきの日本では、まだまだ若い。


残念なことだ。


夏樹静子さんといえば、ミステリー作家というより、
テレビドラマの原作者と思っている人も多いのでは
ないだろうか。


おそらく、ここ20年ぐらいの1時間ものの刑事ドラマ
などで多かれ少なかれ夏樹さんの影響があるものが
かなりあると僕はみている。


ひとつのスタイルを作ること以上の創造はないと思っている。


僕は、ドラマや映画はあまり見なかったけれども、松本清張さん
なきあとの正統派ミステリーの作家として、みていた。


松本清張さんの登場人物が人間の暗部にスポットをあて、
またそのどうしようもない状況に感情移入ができる作品で
あるのに対して、夏樹さんの作品はややストーリーの意外性や
組立にキレがありすぎると思っていて、そのために、
松本清張さんの作品が、叩き上げの人生の辛酸を知っている人間が
書いたものであるのに対し、夏樹さんの作品はより文芸的な
完成度が高いと思ったりしたものだ。


実際にイギリスが舞台の作品で、ヒースを渡る風の様子を
描いているが、あれは決して取材や旅行で得られるものでは
なく、まさに読書(ブロンテ姉妹)から得たものだと思っている。


つまり、夏樹さんはミステリー小説という分野で、題材は
周辺の見聞きから取りながらも、内容はかなり抽象的な
ものとなっていて、しかもその実際の可能性に説得力が
妙にあるような作品なのである。


もしぼくが大学の文芸部の先輩で、夏樹さんのような
後輩が入ってきて、夏樹さんのような作品をみせられたら、
より人生の裏付けが感じられるような作品を目指すように
話したに違いないのである。


しかし言語芸術である文学においては、すべてが
遊びであってもなんら差し障りはない。


ただ、人に感動を与えるためには、あまりにも
技巧に走りすぎるとだめだろうということである。


ところで、夏樹さんの作品にもどると、上記の
リスクが非常にうまくかわされているように思う。


どの作品を読んでも、全体の調子は一定であるので、
クライマックスでどーんとくることはないけれど、
比較的あっさりとくる終わりに残る読後感が、
なんとも表現しづらい味を残すのである。


結局、読者はまんまと夏樹さんの術にかかり、
主人公と同じ感情で作品のなかで「生きて」いる。



かつて、イギリスを代表する推理作家である
アガサ・クリスティーを「作品に流れるいじわるな
冷たさがあり、好きになれない」と評した
作家がいた。


根底に人間に対する不信感があるというのだ。


夏樹さんの作品にはそれがない。


いずれにしても、かつて、おっこちゃんを楽しませて
いただいた作家への最高の敬意と、その若さで
世を去ってしまったことへの残念な思いを留めて、
この筆をおきたい。


ご冥福をお祈り申し上げます。



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